補助の申立ての実質的要件は、「本人が、精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分であること(ただし、本人に後見開始または補助開始の審判の原因がある場合は除く)」です。つまり、補助よりも判断能力が後退している保佐や成年後見に該当する方は、補助ではなく、保佐・成年後見の申立てをしなさい、ということですね。
最高裁判所による紹介事例は「軽度の痴呆症状の女性が、最近米研がずに炊いてしまうなど、家事の失敗が見られるようになった。訪問販売員から必要のない高額の呉服を何枚も購入してしまった。」の程度です。
補助の場合、成年後見の全体像の項目で述べたとおり、申立てを本人以外の者がする場合には本人の同意を要し、補助人となった方の権限は成年後見人や保佐人と比べると限られます。ですが、補助は任意後見とは区別し、法定後見といわれます。つまり、補助の要件に該当する者には、必ず、補助人がつけられるのです。これは保佐人、成年後見も同様です。
補助開始の審判は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所へ申立てます。費用は、収入印紙800円、予納郵便切手(裁判所によって異なる)、登記印紙4000円。
必要書類は、申立書、申立人の戸籍謄本、本人の戸籍謄本・戸籍の附票・成年後見に関する登記事項証明書・診断書、補助人候補者の戸籍謄本・住民票の写し・身分証明書(本籍地の市町村長発行の破産の宣告又は手続開始決定の通知を受けていない旨の証明書)・登記されていないことの証明書 ・・・※ 裁判所により異なる場合があるため、申立てをする裁判所へご確認下さい。
また、補助開始の審判は同意権付与の審判または代理権付与の審判も供にすることを要します。したがって、併せてそれらの申し立てもする必要があります。収入印紙は各800円。